押出成形技術情報

押出成形の仕組み

Construction method

押出成形とは、加熱融解された樹脂を、空気や水で冷却して固化させ、連続的に成形する方法をいいます。
射出成形は金型の内部で樹脂を冷却するのに対し、押出成形は押出機の加熱シリンダー内で加熱融解された樹脂を金型から通過させ、その後、徐々に冷却していく成形方法です。このような方法で成形されるので、一定の形をした製品が連続的に成形され続けます。簡単に言うと、金太郎飴やところてんの作り方をイメージすると分かり易いと思います。

押出成形の仕組み

押出成形の工程

Molding process

原料となる樹脂を押出機に投入し、加熱融解させ金型より押し出します。押し出された融解樹脂は、冷却、引取工程を経て切断されます。これらの工程によって、断面形状の同じものを連続して作り続けることができます。

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押出工程

投入された樹脂を押出機内で溶融させ、押出機出口に装着した金型より押し出します。この金型構造に大きなノウハウがあり、弊社の強みのひとつです。

冷却工程

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冷却工程

押出機から出た樹脂は、水槽の入り口にあるサイジングにて製品形状に形作られます。サイジングを出た後は、熱による後からの変形を防ぐため水や空気によって冷却されます。

引取工程

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引取工程

押出された樹脂を引き取る工程です。弊社の特徴は、押出機から出た樹脂の形状を一定に保つため、製品の吐出量に合わせ、自動で引取スピードを可変しています。

切断工程

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切断工程

お客様のご要望に合わせた長さに切断する工程です。短いものは200mmから長いものは8.3mまでインラインでの切断実績があります。また、通常の鋸刃に加え、切粉の出ないナイフカッターのラインもございます。

押出成形のメリット、デメリット

Pros and Cons

押出成形のメリット

  • 同じ金型でいろいろな長さの製品が生産可能
  • 射出成形に比べ金型金額が安い
  • 木目のような柄模様の製品意匠が可能
  • 深みのある質感が可能
  • 発泡による軽量化、断熱性能アップが可能

押出成形のデメリット

  • 長手方向は直線的な形状しかできない
  • 基本的には1本取り

複雑な形状の製品を大量に生産するには射出成形が適していますが、直線的な形状で製品長さが多数ある製品、柄付きや深みのある製品などは押出成形に適しています。また、インラインでシートを貼ったり、穴あけ加工、プレス加工ができる事も押出成形のメリットです。

特徴と強み

Features and Advantages
設計〜二次加工まで一貫した生産体制

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設計〜二次加工まで一貫した生産体制

お客様の求める押出成形品の最適な樹脂選択から金型設計製作、成形品の量産、二次加工までを一貫とした生産体制を構築している事により、短納期、高機能、高品質での商品造りを可能にしております。樹脂及び添加材の知識を活かしたプラスαの機能付与も可能です。

お客様と共に新技術に挑戦します

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お客様と共に新技術に挑戦します

新たな材料、新たな技法、実現不可能と思われる意匠など、お気軽にお問合せください。新規開発および試作案件にも対応いたします。ご要望により秘密保持契約を締結し、貴社との独自の取り組みをいたします。

日清紡HDのグループ企業です

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日清紡HDのグループ企業です

2016年より東証一部上場企業である日清紡ホールディングスのグループ企業となった事で盤石な経営基盤となりました。また、内部統制など上場企業と同等の管理体制で運営しています。技術面でも日清紡ホールディングスの総合性・エクセル東海の独自性を融合させた、製品開発に取り組んでいます。

エクセル東海の技術

Technology

エクセル東海の成形技術

一般単層成形

単純な円筒形でフィルムの芯材として使われるABSコアや、屋外で使われる看板部材、厚さ15mmのPP平板など、汎用樹脂を使った単層で成形します。また、中空異形リブ付きのような複雑形状も安定的に生産した実績があります。汎用樹脂×単層成形という簡単と思われる押出成形も実は奥が深く、50年以上の技術の蓄積がある弊社のノウハウが詰まっています。

関連する製品

異形発泡成形

化学発泡剤を樹脂に混ぜることで1.1~6倍の発泡製品を作ることができます。
発泡することにより軽量化されコストダウンが可能になるだけでなく、機能面では断熱性の付与、意匠面では独立気泡を模様として付与させることも可能です。また、穴あけ、ビス・釘打ち時の割れも低減します。
発泡成形の技術詳細はこちら

関連する製品

異形複層成形

金型に移動式押出機を取り付けることで、2層、3層成形が可能となります。製品用途において、見えない箇所は再生材料等の安価な樹脂を使用することによりコストダウンが図れます。
また、超耐候性樹脂やメタリック調樹脂、艶消し樹脂など高価な樹脂を全周に施し、内部は安価な樹脂にて構成する事により、価格を抑えながら高機能製品を実現することが可能となります。

関連する製品

異形ねじり成形

弊社の独自技術により、スパイラル状の製品を作ることに成功しました。例えば掃除機のヘッド部に装着されるブラシは、これまではアルミ製が主流でしたが、アルミと同等の真直度のスパイラル成形に成功したことで樹脂に置き換わり、ヘッドの軽量化に成功しました。また、パイプの内径部に突起のある形状をねじることにより、各反省の良い乱流を起こすパイプも成形可能です。
ねじり成形の技術詳細はこちら

関連する製品

長尺異形押出成形

一般的に押出成形の業界では長くても4m程度までの成形品が主流ですが、弊社で独自技術、レイアウトの工夫により8メートルまでの長尺物に対応しています。8メートルの成形品の生産が可能になったことにより、つなぎ目による不具合が懸念される製品へも対応可能となりました。

関連する製品

スーパーエンプラ成形

エンプラとは、一般的に100°C以上の耐熱性を持った樹脂で、PC、PA、POMなどが 含まれます。さらに、PPS、芳香族PAなど、耐熱温度が概ね150°C以上の樹脂を スーパーエンプラと呼び、押出成形では、まだ一般的ではないこれらの樹脂を積極的に トライし、お客様からのご要望にお応えしています。 また、エンプラ、スーパーエンプラにフィラーを入れた樹脂も得意としています。
スーパーエンプラ成形の技術詳細はこちら

関連する製品

超耐候性樹脂成形

ポリカ樹脂成形品の黄変を抑えることや、黄変→白濁→割れへと進行する課題に対し、当社で独自に開発した「特殊配合樹脂」を成形品外周面に被覆し、低コスト且つ高耐候性機能を持つ成形を行います。

関連する製品

エクセル東海の加飾技術

押出木目

樹脂を発泡することでその外観はプラスチック感から木材感に近づけることができます。そして、溶融温度の異なる樹脂を添加することで流れ模様を発現させ、より木材に近い外観が得られます。更に表面粗し加工をする事により、木材と見間違えるほどの仕上がりとなります。
加飾技術の技術詳細はこちら

関連する製品

シート貼り

加飾シートを工程内で押出製品に貼り合わせることで、押出成形では得られない意匠製品を低コストで生産することが可能です。基材の材質は比較的接着性の良いABS樹脂をはじめ、PSやPPなど一般的には接着に適さない樹脂も、特殊接着剤と弊社独自技術により貼り合わせ可能です。

関連する製品

石目模様

基材層は発泡、中間層は石目柄、表層は透明の3層成形により、大理石調の石目模様が得られます。浴室のカウンター等に大理石の替わりに使われています。一般的な金型構造ですと樹脂に比べ比重の大きい石目柄は流速差により偏りが出やすいが、弊社製品は金型を工夫することにより均一な柄を発現させることができます。

関連する製品

メタリック調

特殊な調色技術を応用することで金属調の外観を樹脂で表現できます。金属が腐食し易い水周りや、金属ほどの剛性の必要ない装飾部材として使用されています。可視部のみメタリック樹脂を薄く載せることにより、コストを抑えながら金属と同等の外観を得ることができます。

関連する製品

エクセル東海の二次加工技術

曲げ加工

木材では変形させることが難しい曲げ加工を、樹脂による押出成形で比較的容易に加工できる技術を開発しました。色々な角度、形状への対応が可能です。また、単純で曲げ量の少ない形状であれば、インラインでの加工も可能です。
インライン加工の技術詳細はこちら

関連する製品

研磨・バフ加工

樹脂製品の表面を鏡面仕上げする為の加工ができます。お客様のご要望に合わせ、微細な筋を研磨で削った後、バフ加工で仕上げます。主に浴室カウンターなどの製品に施します。

切削加工

木材とほぼ同様に切削、切欠き、穴あけ、ダボ打ち等の加工ができます。複雑な形状や工数の多い加工はNC加工機を使用して加工します。

UVインクジェット印刷

紫外線で硬化するUVインクを使用した印刷です。製品に微細なインクを付着させ、内蔵された照射装置で紫外線を当ててインクを定着させます。UVインクは紫外線を照射すると瞬時に固まるため、通常のインクのように乾燥させる手間がかかりません。また、版を作製しないため低コストで印刷でき、小ロットの対応も可能です。
UVインクジェット印刷の詳細はこちら

インサート成形

押出成形は2次元の直線的な形状である為、複雑な形状を作るためには、 押出製品を縦型射出成形機にセットするインサート成形を行います。現在、 自動車部品をこのインサート成形で生産しています。また、オフセットダイを 使用した金属のインサート押出成形や、フィルムを金型内に挿入するしながら樹脂を押し出すインサート成形も実績があります。
インサート成形の技術詳細はこちら

関連する製品

保有する知的財産

Intellectual Property

特許

特許 第3580802号 段鼻用階段部材
特許 第4050268号 段鼻部材
特許 第5367538号 複合樹脂パネル及びその製造方法
特許 第5606689号 ルーバーフェンス
特許 第6279831号 信号灯器

意匠

意匠 第1359047号 巻芯
意匠 第1395712号 合成樹脂板
Q&A

よくあるご質問

Q

短納期での新規製品立ち上げは可能でしょうか。

A

自社で金型設計・製作から押出成形まで行っているので短納期での立ち上げが可能です。

Q

開発的要素の多い押出成形品への取り組みは行ってもらえるのでしょうか。

A

新規開発案件には積極的に取り組みたいと考えております。

Q

特殊樹脂を用いた押出成形の開発は可能でしょうか。

A

可能です。

Q

特殊樹脂での発泡押出成形は可能でしょうか。

A

化学発泡以外にも物理発泡などとの組み合わせで発泡検討を行います。

Q

変性PPEでの押出成形は可能でしょうか。

A

可能です。